
博多ラーメンについてちょっとうんちく
先日仕事関係の人と福岡についてお話をしていたとき、案外他の地域の人は「博多ラーメン」についてよく知らないんだなという印象を受けました。
私だって東京名物をよく知りませんからもちろん遠い土地に暮らされている人ですから知らないのも当たり前ですが、ちょっと寂しいなという気がしたので今回はラーメンについて少し書いていきたいと思います。
まず「博多ラーメン」とは何なのかということですが、こちらは一般的には長浜市を元祖とする白濁した豚の骨から作った豚骨スープを使ったラーメン全般のことを指しています。
一応「博多ラーメン」という名称はついていますが、同じような特徴を持ったラーメンは九州全域で見られていて、一説には博多ラーメンの本当の元祖は鹿児島県にあるというふうに言う人もいるくらいです。
どこが本当に最初なのかということは今となってはあまり詮索しても意味のないことなので省きますが、とりあえずの定義としては白濁スープに細麺を使い、ゴマと紅しょうがであっさりと仕上げるというところで共通をしています。
また最近は東京など別の地域でも見られるようにはなりましたが、一度頼んだラーメンのスープを再利用して麺だけをおかわりする「替え玉」も博多ラーメンが起源です。
福岡を歩くとラーメン店がずらり
ラーメンの聖地は全国にたくさんありますが、福岡もそれらに負けることなく街中にあるラーメン店の数ではかなりのものとなっています。
特に博多ラーメン発祥の地とされている長浜では、100mくらいの一本の通りの左右に15軒のラーメン屋台が居並ぶ激戦区となっており、その風景そのものが観光名所としてよく宣伝に使われています。
ちなみにこの15軒のうち7軒は老舗屋台である「とん吉」のグループによるもので、どのお店に入ってもだいたい同じものを食べることができるようになっています。
屋台では一番人気はもちろんとんこつラーメンなのですが、その他にも博多名物明太子を使った玉子焼きなどサイドメニューも充実しているので食事だけでなく屋台飲みにも人気のところとなっています。
屋台だけでなくきちんと店舗として営業しているラーメン店もたくさんあり、観光客向けに「らーめんタクシー」という福岡市内の40あまりのラーメン店のうち4つくらいを回れるお得なタクシープランもあったりします。
とんこつラーメンを極めるには
博多ラーメンでは独特の作法というか食べ方があるので、慣れない人はそこに抵抗感を覚えることがよくあります。
ですが覚えてしまえばとても簡単ですし、それにいくつかのパターンを覚えれば一つのラーメン屋を何度も違った楽しみにすることができたりとかなり通なラーメン道楽ができます。
博多ラーメンでは注文をするときに麺の硬さを選ぶことができるようになっており、「やわ」「普通」「かた」「バリカタ」「ハリガネ」「粉落とし」といった独特の呼称を使います。
何も言わなければ「普通」ででてきますが、そこであえて「かた」にチャレンジしてみることをおすすめしたいです。
基本的に最初の1杯は気持ち硬めに注文し、スープが冷め始めた2杯めは最初よりも柔らかめにして注文をするのが一般的なテクニックになっています。
それとお腹に余裕があるならラーメン以外のサイドメニューがかなり個性派揃いなので、そちらでお気に入りのお店を探すというのも博多ラーメンの正しい楽しみ方です。