初めて寄席を見に行きました

初めて寄席(よせ)に友達と行ってきました!

前々から興味はありましたが、一人で行く勇気がなかったので二の足を踏んでいました。そこで、友達に行きたいと伝えると一緒に行ってくれることになりました。
友達も寄席は初めてでお互いネットの知識だけです。
今回は寄席に行ってきたときのことを書いていきたいと思います。

そもそも寄席とは

主に落語が披露される場所を指します。
小難しそうな印象を持つかもしれませんが、すべて現代語で、江戸時代の笑い話や現代の時事ネタ、三味線や漫談、漫才、手品など演目もさまざま。
だいたい15分ほどで演者が変わるので、内容が合わなくても交代するので大丈夫です。
観客が座席について飲食を楽しみながら、芸人たちの話芸やコントを楽しめる場所なのです。
東京に住んでいるなら一度は行ってみたいと思っていました。

寄席の楽しみ方

寄席に行くことを別の友達に話をすると色々、楽しみ方を教えてもらいました。
以下のことを意識して見たいなと思います。

適切な場所を選ぶ

まずは、寄席が行われる劇場や会場を見つけましょう。興味のある出演者やイベントの日程をチェックして、訪れる日を決めましょう。

混雑具合について

混雑の具合は出演者や曜日によって変わってきます。
笑点やテレビ番組などに出演する落語家や漫才師が登場する場合や土日、お盆などの長期休暇期間は混雑しやすいとのこと。
基本的にフラッと行くくらいの感覚であれば席を確保するのは難しくないでしょう。

着席と構え

劇場に着いたら、空いた席に座ります。舞台が中央にあり、客席が囲むようになっています。
周りの人たちと共に楽しい時間を過ごしましょう。

演目や出演者の紹介

入場時に渡されるパンフレットには演目や出演者の順番が掲載されます。
出演者の紹介や演目の内容に耳を傾けることで、楽しみがぐっと広がります。

笑いの魅力を楽しむ

落語や漫才のパフォーマンスには、ユニークな話術や笑いの要素が満載です。素直に面白いと思ったところで笑います。
中には目立つために声を立てて大声で笑ったり、落語家の目を見て大げさに頷くお客さんがいるそうです。
落語家は笑うところでないところで、大声で笑われるとリズムを崩してやり辛くなってしまうそうなので、素直なリアクションを取るようにしてください。
言葉遊びや風刺、意外な展開に耳を傾けて、笑いに包まれたひとときを楽しみましょう。

聞き手の心構え

話には独特の表現や文化が含まれていることがあります。熟語や言葉の意味を理解しつつ、ストーリーに耳を傾けて楽しんでください。

拍手

出演者が登場や退場する際には、出演者に感謝の気持ちを込めて拍手を贈りましょう。

落語には大きく分けて2種類ある

落語には古典落語と新作落語があります。古典落語とは江戸時代から明治期に作成され現代まで継承されたものです。
一方、新作落語は大正時代から現代までに作られているものをいい、作成した落語家とその弟子しか演じることができません。
新作落語中には多くの多くの流派や落語家によって演じられ、古典落語化した新作落語もあるそうです。こんがらがってしまいますが、そういうものだそうです。
古典落語は話の流れが決まっているので、誰が演じても同じ話ですが、落語家や流派によって演じ方やセルフ、登場人物の名前などが違うそう。
私は落語自体、よく知らないのですが当日はどのような噺になるのか楽しみですね。

新宿末廣亭へ

今回訪れたのは新宿にある「新宿末廣亭」です。落語の名寄席として知られており、古典的な噺から現代風のネタまで幅広い演目が披露されています。
場所は地下鉄の新宿三丁目駅から徒歩1~2分のところにあります。JR新宿駅東口からも徒歩圏です。
通りにはたくさんの居酒屋や雑居ビルなど、新宿の裏路地という感じです。
基本は自由席で予約がないため、入場券を購入。一度入場券を支払えば一日楽しむことができます。
行きたいと思ったときにふらっといけるのは魅力の一つなのでしょうね。

新宿末廣亭の中へ

チケットを購入したら、入口の店員さんに渡してちぎってもらいました。
劇場に入ってみると中には親子連れや若いカップルが入ってきたりして、年配の方ばかりの世界という感じではありませんでした。
恐らく、私たちのように一度は寄席を体験してみようという感じのような人がそこそこいるような気がしますね。
畳席や2Fにも席がありましたが、私たちは1Fの椅子席へ。開場時間前だったので、よい席に座ることができました。
劇場の中は寄席ならではの雰囲気でしょうか。観客席が舞台と比較的近いため、芸人たちとの一体感を感じることができます。
建物は撮影・録音が禁止。スマホも音が鳴らないようにミュートにしました。

演目について

私たちが鑑賞したのは、落語だけではなく講談や漫才、紙切り、歌、踊りでした。
最初は三味線&踊り、正直な話、歌詞の内容はよくわかりませんが、見世物として楽しめました。
これがずっと続くと眠ってしまったかもしれないですが、10分程度だったのでほどよく楽しむことができます。

落語は40代くらいの落語家さんが出てきて話したのは、忘れ物が多くて、いつも何かを忘れ物していると面白おかしく話し出したのです。
これは最初から落語の本題に行くのではなくて、マクラと呼ばれる導入部分だそう。
いつの間にか古典落語に入っていくスムーズさに驚きました。
内容は泥棒の噺で、物語が進み、最後にオチ。常に笑いが起こるのではなく、ところどころクスクスと笑い声が聞こえてくる感じです。
私はこの落語は知らなかったのですが、落語に出てくる泥棒はマヌケで、ドジを踏んでばかり。愛嬌がありますね。このお話が一番印象に残りました。
落語は3組ほど演目がありましたが、どれも違う話で、私としては楽しめましたね。
友達はオチがわかりやすい現代のお笑いが好きなようで、若干退屈そうにしていました。

講談はハリセンを叩きながら流暢に物語を進めていく話芸。
女性の講談師さんが物語のセルフとナレーションを同時に離していくのですが、テンポがいいので聞き入ってしまいます。
合間合間にギャグ要素を突っ込んでくるので思わずクスっとなりました。

漫才は少し年配のコンビの方でした。
テレビではちょっと見たことがないので存じあげなかったのですが、年季の入ったネタはわかりやすかったです。
友達も漫才は楽しんでいました。

紙切りは、紙とハサミで舞妓さんや鹿などを上手に創り上げていきます。
お客さんからお題をもらって切るというものもあったのですが、前列の年配の方からのリクエストは「大谷翔平!」でした。
難しそうと思いましたが、断ることなく大谷選手のシルエットを切り出して拍手喝采。

寄席の感想

夜の部の演目を見て満足しました。
全体的に大爆笑ではないものの、クスっとくるのが楽しく、何よりライブ感が新鮮でした。
また、行きたいと思えるほど。別の演芸場にも行ってみようとも思います。
ちなみに友達は「両親が遊びに来たら紹介したいなー」とのこと。言い換えれば一度でいいかなと感じでしょうか。
確かに私たちの年代でハマる人は多くないかもしれません。
以上、はじめての寄席にいってきた感想です。

落語を勉強中

最初は寄席がどんなものか興味本位で見に行ったのですが、そこで落語を聞いて以来、落語に興味を持つようになりました。
YouTubeには人気の落語家さんが自身のチャンネルを持って無料で落語が聞けます。
これは寄席の見方について教えてくれた友達からおすすめされたためです。
今は春風亭一之輔さんのYouTubeをよく見ています。短命やちはやふるといった演目や落語の解説も勉強になります。
他にもすでに亡くなった名人と呼ばれる落語家の動画も見ています。
今では時間があれば見るほどです。Amazonプライムでも落語のチャンネルがあるそうなので、見てみたいと思います。

ホール落語にも行ってみたい

落語には寄席以外の会場、いわゆる多目的ホールや劇場でも行われています。そこからホール落語とも呼ばれています。
どちらかというこのホール落語のほうが演者や企画の魅力を押し出すものになりやすいそうです。
理由は明確で、会場を選び企画を立て、こういう落語会がありチケットを売る必要があるため、魅力がなければお客さんが来ません。
独演会や二人会、一門会など色々な名前で開催されています。
独演会とはそのままで、その落語家がメインで出演するものです。二人会はその二人が、一門会はメインとなる師匠とその一門が出演します。
独演会では、基本的に最初にお弟子さんが前座として一席落語をやり、その後メインの落語家が一席をやり、中入りという休憩の後、メインがもう一席やるそうです。
メインは一席につき40~50分もやるので、たっぷりその落語家の世界を堪能できます。
これが二人会になると、前座の後に一人目が登場し、休憩後、二人目が一席という流れです。
一門会ではお弟子さんが順繰りに登場し、最後にその一門の師匠で一席を締めます。だいたい2時間ぐらいで、目当ての落語家の噺を聴くことができます。
寄席と比べて、出演者が少なく、じっくり楽しめるのが魅力です。来ているお客さんの年齢層も幅広いため、浮いてしまうことはないようです。
若手の落語家は自分の勉強を兼ねながら、ファンを作るために、あるいは寄席ではできないことを実現するために開催することもあるそうです。

興味があって寄席を見に行ってからすっかり落語にハマってしまったようです。
落語は思っていたほど難しくなく、誰にでも分かりやすい面白さが魅力といえるでしょう。
また、落語は耳だけ目でも楽しめるエンターテインメントです。人間臭い失敗談に人情に訴えかけるような身振り手振りをしながら物語を進めていきます。
この魅力が江戸時代から令和の時代まで続いている理由かもしれません。